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「骨太の方針」はどうやって決まるのか 経済財政諮問会議での議論から閣議決定、概算要求・予算編成まで(2026年の実例つき)
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ポイント
- 「骨太の方針」の正式な名前は「経済財政運営と改革の基本方針」です。内閣総理大臣が経済財政諮問会議に諮問し、会議の答申を経て閣議決定されます。2026年は6月25日に骨子案、6月30日に原案が会議に示され、7月21日に答申と閣議決定が行われました。
- その後、7月末に翌年度予算の「概算要求基準」が閣議了解され、各府省は8月末までに概算要求を出します。令和9年度予算の基準は2026年7月30日に閣議了解されています。
- 12月に「予算編成の基本方針」(諮問会議の答申を経て閣議決定)と政府予算案が閣議決定され、国会に出されます。令和8年度予算は、基本方針が2025年12月9日、政府案が12月26日に閣議決定され、2026年4月7日に成立しました。
決まるまでの流れ
- 諮問会議で議論(春〜初夏)民間議員(資料では「有識者議員」とも表記)の提案や分野別のテーマを議論します。2026年は4月13日の第4回で「骨太方針策定に向けて」が議題になりました。根拠の資料: 内閣府「令和8年会議情報一覧」。
- 骨子案を示す(6月)2026年は6月25日の第9回で、資料3「経済財政運営と改革の基本方針2026 骨子案」が示されました。根拠の資料: 第9回会議資料・議事要旨。
- 原案を示す(6月末)2026年は6月30日の第10回で、資料1「経済財政運営と改革の基本方針 2026 原案」を議論しました。根拠の資料: 第10回会議資料・議事要旨。
- 与党との調整、総理の諮問、諮問会議の答申、閣議決定(2026年は7月21日)第11回(日本成長戦略会議との合同会議)で諮問第55号と「案」が示されて答申が決定され、同じ日の持ち回り閣議で決定されました。根拠の資料: 第11回会議資料・議事要旨、首相官邸「令和8年7月21日(火)持ち回り閣議案件」。
- 概算要求基準の閣議了解(7月末)2026年は7月30日の第12回で財務大臣が案を説明し、同じ日に閣議了解されました。根拠の資料: 第12回議事要旨、財務省「令和9年度予算」。
- 各府省の概算要求(期限は8月末日)令和9年度分の集計は、財務省のページに令和8年9月4日付で掲載されています。根拠の資料: 概算要求基準(閣議了解)、財務省「令和9年度予算」。
- 予算編成の基本方針の答申・閣議決定(12月上旬)令和8年度分は、令和7年12月5日の第14回で答申、12月9日に閣議決定されました。根拠の資料: 第14回議事要旨、内閣府「経済財政諮問会議の取りまとめ資料」。
- 政府予算案の閣議決定(12月下旬)と国会での成立令和8年度予算は、令和7年12月26日に政府案が閣議決定され、令和8年4月7日に成立しました。根拠の資料: 財務省「令和8年度予算」「令和8年度予算政府案」。
1. 経済財政諮問会議とは(内閣府設置法の規定)
経済財政諮問会議は、内閣府設置法第18条で「重要政策に関する会議」として内閣府本府に置かれています。役割は第19条に書かれています。
経済財政諮問会議(以下この目において「会議」という。)は、次に掲げる事務をつかさどる。 一 内閣総理大臣の諮問に応じて経済全般の運営の基本方針、財政運営の基本、予算編成の基本方針その他の経済財政政策(第四条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について講じられる政策をいう。以下同じ。)に関する重要事項について調査審議すること。
(出典:内閣府設置法 第19条第1項、e-Gov法令検索)
同じ項の第2号は国土形成計画法の全国計画などについての調査審議、第3号はこれらについて大臣に意見を述べることです。構成は次のとおりです。
会議は、議長及び議員十人以内をもって組織する。
議長は、内閣総理大臣をもって充てる。
第一項第七号に掲げる議員の数は、同項各号に掲げる議員の総数の十分の四未満であってはならない。
(出典:内閣府設置法 第20条、第21条第1項、第22条第3項、e-Gov法令検索)
第22条第1項は、議員を、内閣官房長官、経済財政政策担当大臣、内閣総理大臣が指定する各省大臣など、関係機関(国の行政機関を除く。)の長、そして第7号の「経済又は財政に関する政策について優れた識見を有する者」から充てるとしています。第7号の議員などの任期は2年です(第23条)。
内閣府の議員名簿では、議長は内閣総理大臣、議員は内閣官房長官、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、総務大臣、経済産業大臣、財務大臣、日本銀行総裁と、民間の4人の計10人です。運営規則は「月1回定例として開催するほか、議長が必要と認める場合には、随時開催」するとしており、2026年は7月30日までに12回開かれています(内閣府「令和8年会議情報一覧」)。
2. 骨太の方針が閣議決定されるまで(2026年の例)
内閣府は、決め方を次のように説明しています。
内閣総理大臣が経済財政諮問会議に諮問し、同会議における審議・答申を経て、閣議決定しています。
(出典:内閣府「経済財政運営と改革の基本方針」)
| 日付(2026年) | 会議 | 骨太の方針に関する資料 |
|---|---|---|
| 4月13日 | 第4回 | 資料1「骨太方針2026の策定に向けて(有識者議員提出資料)」 |
| 6月25日 | 第9回 | 資料3「経済財政運営と改革の基本方針2026 骨子案」 |
| 6月30日 | 第10回 | 資料1「経済財政運営と改革の基本方針 2026 原案」 |
| 7月21日 | 第11回(第7回日本成長戦略会議と合同) | 資料6「内閣総理大臣からの諮問第55号について」、資料7「経済財政運営と改革の基本方針2026(案)」 |
| 7月21日 | 持ち回り閣議 | 「経済財政運営と改革の基本方針2026について(決定)」 |
(出典:内閣府「令和8年会議情報一覧」と各回の会議資料ページ、首相官邸「令和8年7月21日(火)持ち回り閣議案件」)
4月〜6月: 民間議員の提案、骨子案、原案
4月13日の第4回で民間議員が「骨太方針2026の策定に向けて」を提出し、会議の締めくくりで高市議長(内閣総理大臣)が次のように述べています。
こうしたご提案を踏まえ、城内大臣におかれては、高市内閣の経済財政運営の方針を明確に示す、真に「骨太」な、「簡潔」で、「分かりやすく」、「メッセージ性のある内容」とすることを原則として、与党とも連携しながら策定作業を進めてください。
(出典:令和8年第4回経済財政諮問会議 議事要旨)
6月25日の第9回では、内閣府の統括官が「骨太方針2026は、4章構成として考えている」と骨子案を説明しました。骨子案は、4つの章の見出しと項目を並べた2ページの資料です。高市議長は締めくくりで次のように指示しています。
次に、骨太の方針の骨子案について意見交換を行った。城内大臣におかれては、本日の様々な議論も踏まえた上で、骨太方針の取りまとめに向けて関係府省や与党との調整を進めてください。
(出典:令和8年第9回経済財政諮問会議 議事要旨)
6月30日の第10回では、本文の形になった原案が示され、高市議長は次のように述べています。
本日の原案を基に、与党ともさらに調整を進め、来月中旬に骨太方針を閣議決定することを目指す。
(出典:令和8年第10回経済財政諮問会議 議事要旨)
7月21日: 諮問・答申・閣議決定
資料6の諮問第55号は、同日付で内閣総理大臣から経済財政諮問会議議長にあてたもので、内閣府設置法第19条第1項第1号に基づき、「経済財政運営と改革の基本方針及び令和9年度予算編成の基本方針」について諮問しています。会議では、城内議員(経済財政政策担当大臣)の説明と答申の決定が次のように記録されています。
前回の会議でお示しした原案について、与党との調整が終了した。
(城内議員) それでは、本案を答申として決定する。 「経済財政運営と改革の基本方針2026」については、本日この後、所要の手続を経て閣議決定する。
(出典:令和8年第11回経済財政諮問会議・第7回日本成長戦略会議 議事要旨)
同じ日の持ち回り閣議では、骨太の方針とあわせて「日本成長戦略」「地域未来戦略(地方創生に関する総合戦略の変更)」「規制改革実施計画」も決定されています(首相官邸「令和8年7月21日(火)持ち回り閣議案件」。内閣官房の日本成長戦略のページと、規制改革実施計画の表紙にも同日の閣議決定と記載)。内閣府は本文とともに、次の「概要」と「政策ファイル」を掲載しています。
前年の骨太方針2025は、2025年5月26日の第6回で骨子案が議題になり、6月13日の第8回で「経済財政運営と改革の基本方針 2025(案)」が議題になった同じ日に閣議決定されています(内閣府「令和7年会議情報一覧」「経済財政運営と改革の基本方針」)。
3. 骨太の方針から概算要求へ(7月末〜8月末)
骨太方針2026の第4章は、令和9年度予算について次のように書いています。
令和9年度予算編成においては、上記を踏まえ各府省庁において適切に概算要求を行う。
(出典:経済財政運営と改革の基本方針2026 38ページ)
7月30日の第12回では、「令和9年度予算の全体像」が諮問会議として決定され、片山議員(財務大臣)が概算要求基準の案を説明しました。
この場の議論を経て、本日、閣議了解を行いたいと考えているので、ご理解とご協力をお願いする。
(出典:令和8年第12回経済財政諮問会議 議事要旨)
財務省の「令和9年度予算」のページには、「概算要求基準閣議了解(令和8年7月30日)」として「令和9年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」が掲載されています。閣議了解は、冒頭で令和9年度予算を「基本方針2026」等に基づくものとし、次のように定めています。
○ 要求・要望に当たっては、8月末日の期限を厳守。
○ 地方交付税交付金等については、「基本方針 2026」との整合性に留意しつつ要求。
(出典:令和9年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について(令和8年7月30日閣議了解)、財務省掲載)
各府省の要求は、財務省のページに「各省各庁の概算要求(令和8年9月4日)」として集計が掲載されています。前年の令和8年度分は、概算要求基準の閣議了解が令和7年8月8日、各省各庁の概算要求の掲載が9月3日でした(財務省「令和8年度予算」)。
4. 予算編成の基本方針と政府予算案(12月)
骨太方針2026は、第4章の予算編成の部分を年の後半に改定するとしています。
経済財政諮問会議において、本節(予算編成の基本方針)を踏まえた取組について検証・評価を行うとともに、年後半において、令和9年度予算への反映状況や経済見通しを始めとする経済社会情勢の変化などを踏まえ、予算編成の基本方針について必要な改定を行う。
(出典:経済財政運営と改革の基本方針2026 38ページ)
前年の令和8年度予算では、令和7年12月5日の第14回で、資料2「内閣総理大臣からの諮問第54号について」と資料3「令和8年度予算編成の基本方針(案)」が示されました(11月27日の第13回で原案を議論)。
(城内議員) それでは、本案を答申として決定する。予算編成の基本方針は、次の定例閣議で決定する予定である。
(出典:令和7年第14回経済財政諮問会議 議事要旨)
「令和8年度予算編成の基本方針」は令和7年12月9日に閣議決定され(内閣府「経済財政諮問会議の取りまとめ資料」)、「令和8年度一般会計歳入歳出概算」(政府案)は12月26日に閣議決定されました(財務省「令和8年度予算政府案」)。
5. 国会での成立(令和8年度予算の例)
財務省の「令和8年度予算」のページには、令和8年2月20日の第221回国会での財務大臣の財政演説、3月30日の暫定予算の成立が掲載され、4月7日の欄に次の記載があります。
令和8年度予算は政府案どおり成立しました。
(出典:財務省「令和8年度予算」)
議事要旨・議事録・記者会見はどこで見られるか
運営規則は、議事要旨を会議の終了後速やかに作成・公表し、議事録は一定期間を経過した後に公表すると定めています(第7条、第8条)。期間は運営細則で決められています。
運営規則第7条に規定する議事要旨は、会議が開催された翌日から起算して3日以内に公表するよう努めなければならない。
運営規則第8条に規定する一定期間は、4年間とする。
(出典:経済財政諮問会議における情報の公開等に係る運営細則 第2条、第3条)
内閣府の「令和8年会議情報一覧」には、回ごとに会議資料・大臣記者会見要旨・議事要旨が並び、「令和3年会議情報一覧」にはこれに加えて議事録のPDFが掲載されています。閣議決定された骨太の方針・予算編成の基本方針は内閣府の「経済財政諮問会議の取りまとめ資料」に、その日の閣議案件は首相官邸の閣議のページに、概算要求基準や政府予算案は財務省の年度別の予算のページに掲載されます。
令和9年度予算はいまどの段階か
令和9年度予算は、各府省が8月末までに概算要求を出し、財務省が9月4日付で集計を掲載した段階です。予算編成の基本方針は骨太方針2026で「年後半」に改定するとされ、日付はこれまでの資料には書かれていません。前年は、予算編成の基本方針の閣議決定が12月9日、政府予算案の閣議決定が12月26日でした。
出典
- e-Gov法令検索「内閣府設置法」(2026年9月13日取得)
- 内閣府「経済財政諮問会議」(2026年9月13日取得)
- 経済財政諮問会議運営規則(2026年9月13日取得)
- 経済財政諮問会議における情報の公開等に係る運営細則(2026年9月13日取得)
- 経済財政諮問会議議員名簿(2026年9月13日取得)
- 内閣府「令和8年会議情報一覧」(経済財政諮問会議)(2026年9月13日取得)
- 令和8年第4回経済財政諮問会議 議事要旨(令和8年4月13日)(2026年9月13日取得)
- 令和8年第9回経済財政諮問会議 会議資料(令和8年6月25日)(2026年9月13日取得)
- 第9回 資料3 経済財政運営と改革の基本方針2026 骨子案(2026年9月13日取得)
- 令和8年第9回経済財政諮問会議 議事要旨(2026年9月13日取得)
- 令和8年第10回経済財政諮問会議 会議資料(令和8年6月30日)(2026年9月13日取得)
- 第10回 資料1 経済財政運営と改革の基本方針 2026 原案(2026年9月13日取得)
- 令和8年第10回経済財政諮問会議 議事要旨(2026年9月13日取得)
- 令和8年第11回経済財政諮問会議 会議資料(令和8年7月21日)(2026年9月13日取得)
- 第11回 資料6 内閣総理大臣からの諮問第55号について(2026年9月13日取得)
- 第11回 資料7 経済財政運営と改革の基本方針2026(案)(2026年9月13日取得)
- 令和8年第11回経済財政諮問会議・第7回日本成長戦略会議 議事要旨(2026年9月13日取得)
- 令和8年第11回 城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨(2026年9月13日取得)
- 内閣府「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針の一覧)(2026年9月13日取得)
- 内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2026」(2026年9月13日取得)
- 経済財政運営と改革の基本方針2026(令和8年7月21日閣議決定)(2026年9月13日取得)
- 経済財政運営と改革の基本方針2026 概要(内閣府作成)(2026年9月13日取得)
- 首相官邸「令和8年7月21日(火)持ち回り閣議案件」(2026年9月13日取得)
- 内閣官房「日本成長戦略本部/日本成長戦略会議」(2026年9月13日取得)
- 規制改革実施計画(令和8年7月21日閣議決定)(2026年9月13日取得)
- 令和8年第12回経済財政諮問会議 会議資料(令和8年7月30日)(2026年9月13日取得)
- 令和8年第12回経済財政諮問会議 議事要旨(2026年9月13日取得)
- 財務省「令和9年度予算」(2026年9月13日取得)
- 財務省「令和9年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」(令和8年7月30日閣議了解)(2026年9月13日取得)
- 財務省「令和9年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について(概要)」(2026年9月13日取得)
- 財務省「令和8年度予算」(2026年9月13日取得)
- 財務省「令和8年度予算政府案」(2026年9月13日取得)
- 内閣府「経済財政諮問会議の取りまとめ資料」(2026年9月13日取得)
- 令和8年度予算編成の基本方針(令和7年12月9日閣議決定)(2026年9月13日取得)
- 内閣府「令和7年会議情報一覧」(経済財政諮問会議)(2026年9月13日取得)
- 令和7年第14回経済財政諮問会議 会議資料(令和7年12月5日)(2026年9月13日取得)
- 令和7年第14回経済財政諮問会議 議事要旨(2026年9月13日取得)
- 内閣府「令和3年会議情報一覧」(経済財政諮問会議)(2026年9月13日取得)