金融庁パブリックコメント(保険会社向けの総合的な監督指針の改正案)

金融庁が「保険会社向けの総合的な監督指針」の改正案を公表、10月13日まで意見募集

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パブリックコメント(保険会社向けの総合的な監督指針の改正案)
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意見募集中

何が出たか

金融庁は2026年9月11日、「保険会社向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)を公表し、パブリックコメントを始めました。資料は、新旧対照表(別紙1)と改正案の概要(別紙2)です。意見の締切は**2026年10月13日(火曜)17時00分(必着)**です。

金融庁は公表ページで、令和6年(2024年)6月25日の「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」報告書と、同年12月25日の金融審議会「損害保険業等に関する制度等ワーキング・グループ」報告書の提言を踏まえた改正だとしています。

資料の原文

企業内代理店に関する規制の再構築、独占禁止法遵守態勢の構築、企業向け損害保険商品のモニタリングの高度化等に向け、「保険会社向けの総合的な監督指針」について、所要の改正を行うものです。

(出典:金融庁「『保険会社向けの総合的な監督指針』の一部改正(案)の公表について」1.改正の概要)

本パブリックコメント終了後、所要の手続を経て、適用開始の予定です。

(出典:同ページ 2.施行日)

何が変わる案か(現行との違い)

別紙2では、改正項目が次の4つに整理されています。

1. 企業内代理店に関する規制の再構築

別紙2は、企業内代理店を「保険業以外の事業を営む企業と人的・資本的に密接な関係を有する保険代理店」と説明し、手数料が保険料の実質的な割引になっているおそれがあることが判明したとしています。

見直しの対象は、損害保険代理店が自らと密接な関係を持つ者(特定者)を契約者等とする保険契約(特定契約)の募集を制限する「特定契約比率規制」です。取扱保険料に占める特定契約の割合が5割を超えることを問題とする記載は、改正案も現行と同じです。新旧対照表で示された主な変更は次のとおりです。

  • 経過措置の期限:平成8年(1996年)3月31日以前に登録した一定の損害保険代理店について、現行で「当分の間」とされている計算の扱いに、改正案では期限を設けています。別紙2は、この経過措置を特定契約の対象を自動車・火災・傷害保険に限定するものと説明しています。
  • 特定者の範囲:現行の「出資比率が30%を超えるもの」を、改正案では「議決権の50%超を直接又は間接に保有する者」とし、その子会社も加えています。
  • 適用除外:手数料の適正化の要件と、代理店の態勢整備の要件をすべて満たす代理店は、規制の対象となる「特定契約取扱代理店」に該当しないとする枠組みを新たに設けています。
  • 保険仲立人:保険仲立人が顧客のみに手数料等を請求する保険契約は、特定契約に該当しないとしています。

適用時期について、新旧対照表には次の記載があります(イ.は適用除外、ア.は特定者の範囲)。

なお、各損害保険代理店において、イ.については、令和 12 年(2030 年)4 月 1 日以後に開始する事業年度から適用するものとする。また、ア.については、令和 14 年(2032 年)4 月 1 日以後に開始する事業年度から適用するものとする

(出典:別紙1 新旧対照表 Ⅱ-4-2-2(6)②)

ア.については、それより前の事業年度までは従前の記載によるとされています。経過措置は、改正案では令和12年(2030年)4月1日以後に開始する事業年度の直前の事業年度末日までとされています。保険料については、次の留意点が改正案に書かれています。

所属保険会社は、特定契約に関して、(ア)に従って算出した手数料を支払う場合、当該特定契約の保険料についても、本規制の趣旨を踏まえ、保険料の実質的な割引・割戻しが生じないように設定する必要があることに留意する。

(出典:別紙1 新旧対照表 Ⅱ-4-2-2(6)② イ.(注1))

2. 独占禁止法遵守態勢の構築

別紙2は、保険料調整行為事案を通じて、共同保険契約の従来のビジネス慣行では独占禁止法に抵触すると考えられる行為などが発現しやすいことが判明したとしています。改正案には「Ⅱ-4-14 共同保険契約のビジネス慣行の適正化」の項目があり、保険会社と保険代理店に、独占禁止法上問題となる行為を防止する態勢を求めています。

保険会社及び保険代理店に対して、独占禁止法において問題となる行為を防止するための態勢整備を求めるとともに、保険会社が共同保険を組成する場合は、その具体的な必要性を検証し、コンプライアンス上の弊害防止措置を講ずるよう求める。

(出典:別紙2 改正案の概要 2ページ「❷独占禁止法遵守態勢の構築」)

3. 企業向け損害保険商品のモニタリング高度化

改正案では「Ⅱ-2-5 商品開発に係る内部管理態勢」に、企業保険商品で個別に料率変更(割引・割増)等を行う場合の管理態勢(社内規程の整備、営業部門等による恣意的な料率変更の防止、根拠の記録・保存など)と、保険収支を適時に料率設定に反映するための態勢の項目が加えられています。新旧対照表の現行の欄は、いずれも「新設」です。

4. 別個登録の廃止

現行の監督指針には、損害保険代理店の従たる事務所を主たる事務所とは別個に登録できるとする規定があり、改正案ではこれを削除しています。別紙2は、同一法人で支店ごとに異なる損保会社の教育・管理・指導を受ける業務運営は顧客本位の業務運営に支障がでるおそれがあるため、規定を廃止するとしています。

いまどの段階か

金融庁が改正案を示し、意見を募集している段階です。金融庁は、意見を郵便またはインターネット(e-Govのウェブサイト)で受け付けるとし、電話による意見は遠慮するよう求めています。意見への個別の回答はしないとしています。

この先の流れ

金融庁の公表ページでは、意見募集の終了後、所要の手続を経て適用開始の予定とされています。適用開始の具体的な日付は、公表ページと別紙には記載されていません。特定契約比率規制の見直しについては、上記のとおり新旧対照表に2030年4月1日以後・2032年4月1日以後に開始する事業年度からの適用が書かれています。

経過

  1. 金融庁が改正案を公表し、意見募集を開始(締切は2026年10月13日17時00分)

出典